大学入試改革元年でしたが、難関大学の志願者動向に大きな影響を与え、志願者数は12%減と過去最大の減少となりました。
私立大学の志願者数は2年連続で減少しています。
2021年度入試の大学志願者数や2022年の大学入試変更点や難易度について解説します。
2021年度入試の大学志願者数
近畿大学は8年連続で大学志願者数が最も多く非常に人気がありますが、ますます難問が出され敬遠されがちです。
2位は千葉工科大学で志願者が10万人以上です。
今回は昨年8位立命館大学までの8校が急減しました。
5位早稲田大学は、1972年以来、49年ぶりに10万人以下で、3年連続で志願者を減らし3位明治大学は2006年以来、15年ぶりに10万人以下に落ちました。
また、21位の慶應義塾大学は4年連続で志願者数を最小36,681人に減らしました。
大学入学共通テスト利用併用方式
青山学院大学、学習院大学、上智大学、立教大学、早稲田大学
早稲田大学政治経済は一般選抜を「大学入学共通テスト併用」に切り替えて大学入学共通テストに数学を課し独自試験で総合問題を課したため、志願者数は前年の約60%まで減少しました。
青山学院大学では、各学部の入学試験を科目併用に変更した結果、志願者数が20年40%程度まで減少した学部もありました。
一方、他の3大学も大学入学共通テスト利用・併用入試を導入したが、立教大学は志願者数が6%増加し学習院大学と上智大学も前年比小幅増加しました。
2021年の大学入学共通テストは易しかった?
最初の大学入学共通テストは受験生はセンター試験より難しかったといわれていましたが、蓋を開けてみると国公立大文系・理系共通5科目6科目の平均スコアは472.3点(スコア率59.0%)で意外に難しくありませんでした。20センター試験よりも15.1点高くなっています。
2022年の大学入試はどうなるのか
気になる今度の大学入学共通テストや難関国公立大・私立大の大学入試はどうなるでしょうか。
大学入学共通テストは実施期日は2022年1月15日と16日です。
2022年の大学入試変更点は?
新設予定大学等
2大学
大阪信愛学院大学
令和健康科学大学
2専門職大学
電動モビリティシステム専門職大学
アール医療専門職大学(いずれも仮称)
学部等の増設・改組
東海大学が学部再編
学科の増減
教養学部3→2学科
政治経済学部3→2学科
情報理工学部2→3学科
工学部13 →7学科
情報通信学部4→1学科
海洋学部6→3学科
政治経済学部の3~4年次 湘南キャンパス→東京キャンパスに移転
兵庫医科大学
兵庫医科大学と兵庫医療大学が統合し新たに医学部・薬学部・看護学部・リハビリテーション学部の4学部
日本医療大学 医療福祉学部増設
順天堂大学 医療科学部増設
金城学院大学 看護学部増設
名古屋女子大学 医療科学部増設
森ノ宮医療大学 学部分割 保健医療→看護・総合リハビリテーション・医療技術
名城大学 情報工学部増設
近畿大学 情報学部増設
神奈川大学 建築学部増設
京都美術工芸大学 建築学部増設
岡山理科大学 生命科学部増設
成蹊大学 理工学部の学科統合(3→1学科)
愛知学院大学 心理学部増設
人間環境大学 心理学部増設
神戸女子大学 心理学部増設
國學院大学 観光学部増設
武蔵大学 国際教養学部増設
追手門学院大学 国際教養学部改組→国際・文の学部改組
摂南大学 外国語学部改組→国際の学部改組
2022年一般選抜の変更点
【大学入学共通テスト併用方式】
早稲田大学
人間科学部の一般選抜(大学入学共通テスト+数学選抜方式)で、独自試験(数学)の配点を「560点→360点」に減らす
大学入学共通テストは140点で変更なく、大学入学共通テストの比率が高い
立命館大学
情報理工学部の大学入学共通テスト+面接グローバルコース方式で、面接をオンライン実施に
【独自入試】
東海大学
文系・理系学部統一選抜前・後期、一般選抜(医学部医学科以外)で、英語外部検定を利用する場合も大学独自の英語筆記試験の受験が必須(高得点の方を利用)
法政大学
グローバル教養学部の一般A方式で英語の独自試験を廃止し、英語外部検定を新規利用(出願資格、得点換算)
早稲田大学
文学部・文化構想学部で、一般選抜の募集人員を文学部390人→340人、文化構想学部430人→370人に削減
(大学入学共通テスト利用方式、英語4技能テスト利用方式は変更なし)
立命館大学
薬学部の全学統一方式(理系)と薬学方式で、薬学部(6年制)・創薬科学(4年制)の2学科併願制を導入(同方式で2学科同時併願が可能に変更)
関西学院大学
理・工・生命環境・建築の一般選抜の関学数学併用型で3教科必須型を廃止
産業医科大学
医学部の募集人員を一般選抜を85人→80人に削減、推薦型を20 人→ 25 人に増員
2022年推薦型・総合型の変更
早稲田大学
社会科学部で全国自己推薦の募集枠を縮小(50人→35人)
全国を7地域ブロック単位で合格者(各5人)を出す方式を導入
龍谷大学
農学部以外の8学部の指定校推薦で出願資格に大学入学共通テストの受験を必須とする(合否判定には利用しない)
文系7学部は2科目以上(外国語必須)、先端理工学部は数学2科目と理科を課す
明治大学
国際日本学部で自己推薦特別入試を英語外部検定利用で新規実施
立教大学
全学部のアスリート選抜で、出願資格に英語外部検定の成績取得を追加
立命館大学
情報理工学部の総合型で総合評価方式を廃止
同志社大
法学部の自己推薦で書類審査を廃止
2022年の大学入学共通テストは難化する?
大学入学センターは出題する問題が平均点で60%程度を目安にしています。
2021年の試験では理科と公民で得点調整があり平均点が高すぎた生物と倫理は次は難しくなると考えてよいでしょう。
他の難易度は全体的にセンター試験の時と同様の60%程度の平均点になると予想されます。